期限までに相続税の申告手続きをおこなわないとペナルティが課されてしまいます。こちらのページでは相続税の申告期限と期間内に手続きができなかった場合のペナルティについてご説明します。
相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内です。例えば、2月10日に亡くなった場合は10ヵ月後の応当日が期限となりますので、12月10日が相続税の申告期限です。なお、申告期限までに納税もおこなう必要があります。
相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月後の応当日が土日、祝日で税務署が休みの場合、申告期限は翌日となります。例えば、10ヵ月後の応当日が3連休の初日である場合は3連休明けの日が申告期限です。
故人と離れて暮らしており、亡くなったことをしばらく経ってから知った場合は、死亡の事実を知った日の翌日の10ヵ月後が申告期限となります。例えば、故人の弟が外国に住んでおり、2月10日に死亡したにもかかわらず2月15日に死亡したことを知った場合、弟の申告期限は12月15日となります。
なお、配偶者が2月10日の死亡日に死亡した事実を知った場合、配偶者の申告期限は12月10日です。弟と配偶者の死亡した事実を知った日が異なる場合、それぞれ申告期限が別々となります。
期限までに相続税の申告をしなかった場合は無申告加算税が課税されます。また、申告期限までに相続税を納めなかった場合は延滞税が課税されます。なお、期限までに申告と納税のどちらもおこなっていない場合は無申告加算税と延滞税の両方が課税されてしまいます。
相続税の申告期限に間に合わない場合、無申告加算税や延滞税が課税されてしまいますが、申告額が少ない場合は「過少申告加算税」、隠ぺいがある場合は「重加算税」が課税されます。無申告加算税・延滞税・過少申告加算税・重加算税について以下にまとめました。
正当な理由がなく、相続税の申告を期限までにしなかった場合、無申告加算税が課税されます。期限後に自主的に申告した場合は追加納付した税金額の5%を無申告加算税として支払う必要があります。なお、申告期限から1ヵ月以内に申告した場合は期限後でも無申告加算税が課税されません。
自主的ではなく、税務調査により相続税を申告していないことが判明したため、期限後に申告をおこなった場合は追加納付した税金額の15%を無申告加算税として支払う必要があります。なお、追加納付税額が50万円を超える場合、超える部分に対しては20%の無申告加算税が課税されます。
相続税を期限後に納付した場合、延滞税が課税されます。納付期限の翌日から納付した日までの日数に応じて、利息に相当する金額が延滞税として課税されます。なお、申告期限までに申告も納税もおこなっていない場合は、無申告加算税と延滞税の両方が課税されます。
相続税の申告金額が不足していた場合、過少申告加算税が課税されます。ただし、税務署に指摘される前に自主的に修正申告をおこなった場合は過少申告加算税が課税されません。
税務署に指摘されて修正申告をおこなった場合、追加納付した金額の10%が過少申告加算税として課税されます。なお、追加納付金額が当初申告した相続税額を超えている場合、もしくは50万円を超えている場合、超える部分に対しては15%の過少申告加算税が課税されます。
相続財産を意図的に隠したり、偽ったりした場合は重加算税が課税されます。相続税の申告をおこなっており、申告書の内容に隠ぺいや偽装がある場合は追加納付した税金額の35%が重加算税として課税されます。なお、相続財産が不足していたのは意図的でないとみなされた場合は過少申告加算税が課税されます。
相続税申告を意図的におこなっていなかったとみなされた場合は追加納付した税金額の40%が重加算税として課税されます。なお、相続税申告を期限までにできなかった正当な理由がある場合は重加算税ではなく無申告加算税が課税されます。
相続税の時効は申告期限から原則5年です。相続税の申告期限は亡くなった日から10ヵ月後ですので、亡くなった日から5年10ヵ月が経過すると相続税の申告も納付もしなくて良いことになります。
ただし、相続税を申告する必要があることを知っていて故意に申告していなかった場合、相続税の時効は申告期限から7年となります。相続税の申告を意図的にしていなかった場合でも、亡くなってから7年10ヵ月の間、税務署から指摘されなければ納税義務が消滅します。
なお、「時効」という表現を使っていますが、正確には「除斥期間」と言います。除斥期間も考え方は時効と同じで、税務署が一定の期間、納税者に税金の請求をしなければ納税する義務を免れるというものです。
相続税申告を期間内に正しい金額でおこなわなければペナルティを受けてしまいます。相続が発生してから慌てて相続財産を把握したり、誰が何を相続するのか決めるのではなく、生前から準備をしておくことをおすすめします。また、生前のできるだけ早い段階で相続税対策を始めることで、相続税を最大限安くすることができます。
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