相続税の非課税財産一覧|相続税が課税されない8つの財産

故人が所有していた全ての財産に相続税が課税されるわけではありません。相続税が課税されない財産もあります。相続税が課税されない財産のことを「相続税の非課税財産」と言います。こちらのページでは相続税の非課税財産を8つご紹介します。

1.相続税の非課税財産一覧

相続税が課税されない非課税財産を8つご紹介します。

相続税の非課税財産①墓地、仏壇、仏具、祭具

墓地・仏壇・仏具・祭具など、礼拝の対象とされている財産には相続税が課税されません。ただし、純金製で高価なものは課税対象となる場合がありますので注意してください。

相続税の非課税財産②生命保険金等の一部

生命保険金等には非課税枠があり、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。法定相続人とは民法で定められた相続人のことです。誰が法定相続人になるのかについては「遺産相続人の範囲と順位|誰が法定相続人でいくら相続するのか」をご覧ください。

例えば、法定相続人が妻・長男・二男の3人の場合、生命保険金等の非課税額は500万円×3人で1,500万円となります。生命保険金が2,000万円の場合は2,000万円から非課税額である1,500万円を差し引き、500万円に対して相続税が課税されます。なお、生命保険金が非課税額以下であれば生命保険金に対して相続税が課税されません。

相続税の非課税財産③死亡退職金等の一部

死亡退職金等には非課税枠があり、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。例えば、法定相続人が妻・長男の2人で死亡退職金が3,000万円の場合、死亡退職金等の非課税額は500万円×2人で1,000万円となります。死亡退職金3,000万円から非課税額である1,000万円を差し引き、2,000万円に対して相続税が課税されます。なお、死亡退職金が非課税額以下であれば死亡退職金に対して相続税が課税されません。

相続税の非課税財産④国や地方公共団体へ寄付した財産

相続税の申告期限までに相続により取得した財産を国、地本公共団体、特定の公益法人などに寄付した場合、寄付した相続財産には相続税が課税されません。なお、相続税の申告期限は死亡を知った日の翌日から10ヵ月後です。相続税の申告期限について詳しく知りたい方は「相続税の申告期限と時効|無申告加算税・延滞税・重加算税とは」をご覧ください。

相続税の非課税財産⑤公共事業用財産

宗教、慈善、学術など公益目的の事業をおこなう人が、公益事業のために使う相続財産については相続税が課税されません。例えば、相続人がお寺の土地を相続したり、児童養護施設を相続した場合、お寺の土地や児童養護施設には相続税が課税されません。ただし、財産を取得してから2年が経過しても公益事業に使っていない場合は、さかのぼって相続税が課税されます。

相続税の非課税財産⑥心身障害者共済制度の給付金を受ける権利

地方公共団体の条例によって故人が心身障害者共済制度の給付金を受けており、その給付金を受ける権利を相続する場合、給金を受ける権利には相続税が課税されません。

相続税の非課税財産⑦個人経営の幼稚園事業等の財産

個人経営の幼稚園、盲学校、ろう学校、養護学校の財産で一定の要件を満たすものには相続税が課税されません。ただし、相続人が事業を継続する必要があります。

相続税の非課税財産⑧皇嗣が受ける物

皇嗣(こうし)とは、皇太子のことを指します。相続税法においては皇嗣が皇位とともに受け継ぐ由緒ある物には、相続税を課さない旨を定めています。

2.相続税の非課税財産で節税対策をする方法

相続税の非課税財産には相続税が課税されませんので、亡くなった後に買う予定のものを生前に買うことで節税対策をすることができます。相続税の非課税財産で節税対策をする方法についてお墓を例に挙げてご説明します。

例えば、現金を1,000万円持っている場合、亡くなると1,000万円に対して相続税が課税されます。仮に生前に300万円のお墓を購入したとすると、現金が300万円減るので1,000万円-300万円で700万円に対して相続税が課税されることになります。なお、お墓は非課税財産ですので相続しても相続税が課税されません。

亡くなってからお墓を買うのではなく生前にお墓を買うことで、相続税の課税対象を1,000万円から700万円に減額することができました。相続税の非課税財産を死亡後に買うのではなく、生前に買うようにしましょう。

3.相続税対策の相談

相続税対策をおこなうのであれば相続に関する様々な規定を十分に理解する必要があります。しかし、あらゆる規定を全て理解するのは難しいでしょう。

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