小規模宅地等の特例の要件【平成31年改正】|土地の相続税評価減

小規模宅地等の特例とは一定の要件を満たすと土地の相続税評価額を最大80%減額できる制度です。こちらのページでは小規模宅地等の特例についてご説明します。小規模宅地等の特例によって相続税を大幅に減額できる可能性があります。相続財産に土地が含まれている場合は小規模宅地等の特例を適用できるか確認されることをお勧めします。

1.小規模宅地等の特例の対象となる土地

小規模宅地等の特例の対象となる土地は、特定居住用宅地等・特定事業用宅地等・貸付事業用宅地等の3種類です。

小規模宅地等の特例の対象①特定居住用宅地等

特定居住用宅地等とは住宅として使われていた土地のことです。故人が住宅として使っていた土地は小規模宅地等の特例の対象です。また、故人と生計を共にしていた親族が住宅として使っていた土地も小規模宅地等の特例の対象となります。なお、「生計を共にしていた」というのは経済的に一つのまとまりであることを指します。別々に生活をしていたとしても仕送りなどをしている場合は生計を共にしていたとみなされます。

小規模宅地等の特例の対象②特定事業用宅地等

特定事業用宅地等とは事業で使われていた土地のことです。故人が事業に使っていた土地は小規模宅地等の特例の対象です。また、故人と生計を共にしていた親族が事業に使っていた土地も小規模宅地等の特例の対象となります。

小規模宅地等の特例の対象③貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等とはその土地を第三者に貸したり、その土地の上に賃貸アパートを建てたりするなど、不動産貸付業に使われていた土地です。故人が不動産貸付業に使っていた土地は小規模宅地等の特例の対象です。また、故人と生計を共にしていた親族が不動産貸付業に使っていた土地も小規模宅地等の特例の対象となります。なお、駐車場や駐輪場であっても敷地上に構築物がある場合は小規模宅地等の特例の対象です。

土地の種類 定義
特定居住用宅地等 住宅として使われていた土地
特定事業用宅地等 事業で使われていた土地
貸付事業用宅地等 不動産貸付業に使われていた土地

2.小規模宅地等の特例の要件

小規模宅地等の特例の要件は、特定居住用宅地等・特定事業用宅地等・貸付事業用宅地等で異なります。

小規模宅地等の特例の要件①特定居住用宅地等

故人の配偶者が故人や生計一親族が住んでいた土地を相続した場合、配偶者がその土地に住んでいなかったとしても小規模宅地等の特例を適用できます。故人と同居していた親族が相続した場合はその土地に住み続けるのであれば小規模宅地等の特例を適用できます。なお、故人と生計を共にしていた親族が住んでいた土地をその親族が相続し、そのまま住み続けた場合にも小規模宅地等の特例を適用できます。

なお、小規模宅地等の特例は故人と別居していた親族であっても、自己所有の家に住んでいないなどの要件を満たすと使うことができます。別居の親族でも小規模宅地等の特例が受けられるという制度を家なき子特例と言います。家なき子特例の要件については「家なき子特例の要件【改正版】|小規模宅地等の特例で相続税対策」をご覧ください。

<特定居住用宅地等に小規模宅地等の特例を適用するための要件>
・故人や生計一親族が住んでいた土地を配偶者が相続する。
・同居の親族が相続した土地に住み続ける。
・生計一親族が相続した土地に住み続ける。

小規模宅地等の特例の要件②特定事業用宅地等

特例事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用するには故人が亡くなる前からその土地で事業を営んでいる必要があります。また、土地の相続人が相続税の申告期限まで事業を継続していなければいけません。

なお、平成31年度の税制改正によって、相続開始前3年以内に事業用に使われ始めた土地は小規模宅地等の特例の対象外となりました。ただし、土地の上にある事業に使われている減価償却資産の価額が土地価額の15%以上である場合、相続開始前3年以内に事業用に使われ始めた土地であっても小規模宅地等の特例が適用されます。

<特定事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用するための要件>
・相続開始3年前よりも以前からその土地で事業を営んでいる。
・相続人が相続税の申告期限まで事業を継続している。

小規模宅地等の特例の要件③貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用するには故人が亡くなる前からその土地で不動産貸付業を営んでいる必要があります。また、土地の相続人が相続税の申告期限まで不動産貸付業を継続していなければいけません。

なお、平成30年度の税制改正によって、相続開始前3年以内に不動産貸付業用に使われ始めた土地は小規模宅地等の特例の対象外となりましたのでご注意ください。

<貸付事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用するための要件>
・相続開始前からその土地で不動産貸付業を営んでいる。
・相続人が相続税の申告期限まで不動産貸付業を継続している。

3.小規模宅地等の特例の適用面積と減額率

小規模宅地等の特例の要件を満たす土地であっても、全てを減額できるというわけではありません。土地の種類ごとに適用できる限度面積が定められています。

小規模宅地等の特例の適用面積と減額率①特定居住用宅地等

特定居住用宅地等に小規模宅地等の特例を適用する場合の限度面積は330㎡減額率は80%です。仮に評価額が1,000万円で500㎡の特定居住用宅地等を相続した場合、330㎡は80%減額できますが、残りの170㎡は減額されません。したがって、土地の評価額は1,000万円-1,000万円÷500㎡×330㎡×0.8で472万円となります。

小規模宅地等の特例の適用面積と減額率②特定事業用宅地等

特定事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用する場合の限度面積は400㎡減額率は80%です。仮に評価額が1,000万円で500㎡の特定事業用宅地等を相続した場合、400㎡は80%減額できますが、残りの100㎡は減額されません。したがって、土地の評価額は1,000万円-1,000万円÷500㎡×400㎡×0.8で360万円となります。

小規模宅地等の特例の適用面積と減額率③貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等に小規模宅地等の特例を適用する場合の限度面積は200㎡減額率は50%です。仮に評価額が1,000万円で500㎡の特定事業用宅地等を相続した場合、200㎡は50%減額できますが、残りの300㎡は減額されません。したがって、土地の評価額は1,000万円-1,000万円÷500㎡×200㎡×0.5で800万円となります。

土地の種類 限度面積  減額率 
特定居住用宅地等 330㎡ 80%
特定事業用宅地等 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 200㎡ 50%

4.小規模宅地等の特例の注意点

小規模宅地等の特例の注意点を2つご紹介します。

小規模宅地等の特例の注意点①故人が老人ホームに入居していた場合

平成25年度の税制改正によって、亡くなる前に老人ホームに入居していた場合の小規模宅地等の特例の要件が緩和されました。要件について詳しく知りたい方は「老人ホームに入居していたら小規模宅地等の特例は受けられるのか」をご覧ください。

小規模宅地等の特例の注意点②相続時精算課税制度で土地を贈与した場合

相続時精算課税制度とは60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫に贈与する際に贈与税を2,500万円まで無税にできる制度です。ただし、相続時に贈与額を相続財産に加算しますので節税効果はありません。故人が相続時精算課税制度を利用して贈与した土地は小規模宅地等の特例の対象外となりますのでご注意ください。詳細については「相続時精算課税制度で贈与した土地は小規模宅地等の特例の対象なのか」をご覧ください。

5.小規模宅地等の特例に関する税制改正

小規模宅地等の特例の要件が平成30年度と平成31年度に改正されましたので、改正内容についてご説明します。

平成30年度の税制改正

平成30年度の税制改正により相続開始前3年以内に不動産貸付業用に使われ始めた土地は貸付事業用宅地等に対する小規模宅地等の特例の対象外となりました。これまでは亡くなる直前に不動産貸付業用に使い始めたとしても小規模宅地等の特例が適用されましたが、税制改正後は亡くなる前3年以内に不動産貸付業用に使い始めた場合は小規模宅地等の特例が適用されません。

この改正は平成30年4月1日以後に相続や遺贈で取得する土地の相続税に適用されます。なお、平成30年3月31日以前から不動産貸付業用に使われている土地には適用されません。平成30年度の税制改正の内容について詳しく知りたい方は「平成30年度の相続税・贈与税の税制改正大綱のポイント【2018年度】」をご覧ください。

平成31年度の税制改正

平成31年度の税制改正により相続開始前3年以内に事業用に使われ始めた土地は特定事業用宅地等に対する小規模宅地等の特例の対象外となりました。これまでは亡くなる直前に事業用に使い始めたとしても小規模宅地等の特例が適用されましたが、税制改正後は亡くなる前3年以内に事業用に使い始めた場合は小規模宅地等の特例が適用されません。

ただし、土地の上の事業用の減価償却資産が土地価額の15%以上である場合、相続開始前3年以内に事業用に使われ始めた土地であっても小規模宅地等の特例が適用されます。

この改正は平成31年4月1日以後に相続や遺贈で取得する土地の相続税に適用されます。なお、平成31年3月31日以前から事業用に使われている土地には適用されません。平成31年度の税制改正の内容について詳しく知りたい方は「平成31年度の相続税・贈与税の税制改正大綱のポイント【2019年度】」をご覧ください。

6.相続税対策の相談

小規模宅地等の特例以外にも、相続税を減額できる様々な特例があります。特例が適用されるよう対策をおこなうことで相続税を節税することが可能です。相続税対策の方法については「【相続税対策の方法18選】相続税を節税するための手法を解説」をご覧ください。

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