山林を相続したものの「山林は売却できるのか?」、「買い手が見つからない場合はどう処分すれば良いのか?」といったご相談を多くいただきます。
山林は宅地と異なり売却が非常に難しい不動産になります。
売却できたケースもゼロではありませんが、大半のケースでは売却ができずに困っています。
中には売却もできず、役所で寄付すら断られてしまった山林でも相続税評価額が4,000万円になってしまい、相続税の負担も大きくなってしまうケースもありました。
相続税が多額にかかってしまう山林は稀なケースですが、相続税以外にも固定資産税の負担や立地条件によっては定期的な伐採等の管理、災害リスクもあります。
こちらのページでは山林の売却方法や売れない山林の処分方法についてご説明します。山林を売却したい方や山林を処分したい方はご参考にしてください。
3.山林売却の流れ
山林の売却をするにあたって押さえておきたい基本的なポイントを3つご紹介します。
山林を活用することは難しく、買いたいと思う方は少数です。そのため、不動産会社は山林の売買について積極的に取り組もうとしません。できるだけ高い価格で山林を売却しようとするのではなく、価格を安く設定し買い手が現れるのを気長に待つことをお勧めします。
佐藤和基税理士事務所の相談者でも年単位で売れない方は多くいますし、無償譲渡でも5年経って引き取り先が見つからなかった方もいますので、かなりの長期戦になる可能性があります。
ただし、太陽光発電設備の用地としてなど、利用価値がある場合には売却できるケースもあります。
なお、山林価格の相場を調べるときは国土交通省の「標準地・基準地検索システム」というサイトを利用すると良いでしょう。全ての山林の価格がわかるわけではないのですが、ご自身が所有している山林の近くにある山林の価格が載っている場合がありますので、山林の価格設定をする際の参考にしてください。
山林の売却は宅地建物取引業法の規制の対象ではありませんので仲介手数料を規制する法律がありません。そのため、山林売却の仲介手数料はいくらに設定しても問題ありません。ただし、一般的には仲介手数料を宅地建物取引業法の規定に準ずることが多いです。宅地建物取引業では仲介手数料を下記のように定めています。(消費税別のため、別途消費税も加算されます。)
| 売買金額 | 速算式 |
|---|---|
| 200万円以下 | 5% |
| 200万円超~400万円以下 | 4%+2万円 |
| 400万円超 | 3%+6万円 |
※800万円以下の物件は仲介手数料上限は30万円になります。
山林の売買金額が100万円の場合は100万円×0.05で5万円となり、山林の売買金額が300万円の場合は300万円×0.04+2万円で14万円となりますが、売買金額が800万円以下の物件は上限が30万円のため、基本的には30万円が目安になると思います。
山林を売却したことによって生じた所得を譲渡所得と言い、譲渡所得に対して所得税と住民税が課税されます。山林を伐採して譲渡したり立木のままで譲渡する場合は山林所得となります。
そのため、林業等を行っていない場合は基本的には譲渡所得になります。林業を行っている場合には、売買金額を土地部分と立木部分に分けます。
譲渡所得の計算式は下記のとおりです。
山林を売却して得た収入-(山林売却にかかった費用+山林取得にかかった費用)=山林売却の譲渡所得
山林を売却して得た収入から登記費用や不動産会社への仲介手数料などの費用を差し引くことができます。なお、山林取得にかかった費用がわからない場合は山林を売却して得た収入の5%を山林取得にかかった費用として控除することが可能です。
税金は、上記の譲渡所得の金額に対して税率を乗じて計算します。
税率は長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれて、長期譲渡所得の場合には20.315%、短期譲渡所得の場合には39.63%になります。
長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分については、売却をした年の1月1日時点での所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得に該当し、5年以内の場合は短期譲渡所得に該当します。
山林の所有者は過去に原野商法で騙されてしまった方や相続で引き継いだ方が多いと思いますので、山林が手放せずに困っている方は基本的には長期譲渡所得に該当すると思います。
立木の売却がある場合には、山林所得の計算も必要になります。
山林所得の計算式は下記のとおりです。
立木等の売却で得た収入-必要経費-特別控除額(最高50万円)
税金は、「5分5乗方式」といわれるもので、上記の山林所得の金額に対して下記の算式で計算します。
【算式】
山林所得×5分の1×税率×5
税率は所得金額に応じて5%から45%となっています。
山林売却のポイント①買い手を見つけることが難しいでも解説しましたが、山林の売買では買い手を見つけるのが困難です。では、なぜ山林の売買が難しいのか解説します。
一般的な不動産である住宅用地等と異なり、山林を購入したい人は多くありません。
かつて日本では林業が盛んで、1960年代には林業専従者が44万人いましたので山林の需要もありましたが、1980年には約14万人、2000年には約6万人、2020年には約4万人まで減少し、60年間でおよそ10分の1まで減少しています。
木材も輸入材の増加により国産木材の利用が大きく減少していることから、近年は林業の採算性が低下しており、山林を新たに購入する方は非常に限られています。
また、林業目的以外では、2012年から2017年頃は太陽光発電用地としての需要が急激に高まりましたが、太陽光発電の買取価格は2012年の40円/kWhから現在は10円前後まで下がっており、採算性が大きく低下し、開発規制も強化されたことで、太陽光発電用地としての需要も減少しています。
以上のように山林の活用方法がなくなってきていることから、山林の需要が少なくなっています。
山林は所有しているだけでも管理の手間がかかる場合があります。
山奥にある山林で周りも山林だけの場合はほとんど管理の手間はかからないと思いますが、周りに住宅がある場合や道路との接道があるような場合には、下記のような管理の手間や費用負担が発生します。
・定期的な伐採等の草木の管理
・倒木の危険リスクの管理
・毎年の固定資産税の負担
・将来の相続問題
管理を放置してしまうと周りの住人や役所から草木の伐採を求められてしまうケースがありますし、台風等で倒木してしまい、道路をふさいでしまう等のリスクもあります。
佐藤和基税理士事務所の相談者でも倒木して道路をふさいでしまって、木の撤去費用と擁壁工事に多額の費用がかかってしまう方もいました。
また、山林は都心部から離れていることが多く、所有者が遠方に住んでいる場合には管理はさらに大きな負担になってしまいます。
このような事情から山林を購入したいと考える人も少なくなっています。
山林は土地の境界がはっきりしていないケースが多くあります。
一般的な住宅用地である宅地のように活用できないものが多いため、測量を行う機会がなかった山林が大半だと思います。
そのため、山林の多くは下記のように境界が不明確になっています。
・境界標がない
・測量が行われていない
・隣地との境界が曖昧
山林所有者のお話を聞くと「あそこの木からあそこの木までが私の山林です」といった形でかなり大雑把な把握をしている方や、そもそもどこなのか全く把握していない方もいます。
境界がわからないだけでなく、場所の特定すら困難な山林もあることから買い手を見つけるのがさらに困難になります。
山林は買い手を見つけることが非常に難しく、仮に買い手を見つけても取引価格が低いことから、仲介手数料もそれほど高くなりません。
また、山林は場所の特定などの確認にも手間がかかるため、通常の宅地と比較しても費用対効果が悪く、大半の不動産会社では山林の売買は取り扱っていません。
そのため、売買を不動産会社に依頼したくても、引き受けてもらえる不動産会社を見つけることが困難になります。
以上のような理由から山林の売買は難しくなっています。
山林を売却する際に必要な手続きは一般的な不動産売却の手続きと同様です。山林売却の流れは下記のとおりです。
山林の売買を得意とする不動産会社に山林の査定をしてもらいましょう。山林の境界が不明確で登記簿上の面積と実際の面積が一致しない場合は隣地所有者立会のもと境界確定をおこないます。なお、山林は広大で地価が安いことが多いので、高額な測量費用をかけて正確な測量をせずに登記簿面積で売買をおこなうのが一般的です。
購入希望者が見つかった場合は不動産会社から契約についての重要事項の説明をおこない、ローンが必要な場合はローンの申請をします。その後、売買契約を締結し、山林の引き渡しをおこないます。名義変更・固定資産税の清算などが済めば売却手続きは完了となります。
不動産業者は山林の査定額を算出する際に様々な資料を参考にします。下記の資料を用意しておくと売却手続きがスムーズになるでしょう。
登記事項証明書とは土地の地番・地目・地積などが詳しく書かれている資料です。登記簿謄本とも呼ばれます。登記事項証明書は最寄りの法務局で取得することができます。なお、登記事項証明書を郵送してもらうことも可能です。
山林所有者は固定資産税を納めることが義務付けられており、毎年役所から固定資産税の課税明細書が送られてきます。(山林は評価額が低いものが大半のため、土地の免税点である30万円未満の評価額の場合には、固定資産税は発生しません。)なお、固定資産税の課税明細書を紛失してしまった場合や免税点未満の評価額で固定資産税が課税されていない場合は同じ内容が記載されている名寄帳の写しを自治体で発行してもらうことができます。
公図とは登記所で取得できる土地の区画・地番を示した図面です。公図を確認すると山林の形と場所がどこなのか把握することができます。
地盤図とは地質の状況をマップ形式で示した図です。地質調査総合センターなどで確認することができます。山林を売却する際に地盤図の提出を求められる場合があります。
森林情報とは自治体が保有している山林に関する情報です。自治体のホームページなどから確認することができます。各自治体が実施している山林の保護施策や取扱い制限などがわかりますので売却する前に確認するようにしましょう。
相続した山林や原野商法で騙されて購入してしまった山林を売却しようとしても買い手が見つからず、なかなか手放せない場合があります。基本的には山林の評価額は低いため固定資産税や相続税の負担も少ないか発生しないケースが大半ですが、中には相続税評価額が高くなってしまい、売却もできない山林なのに多額の相続税が課税されてしまうケースもあります。
不要な山林を手放したい方は佐藤和基税理士事務所にご相談ください。佐藤和基税理士事務所が提携している林業関係の会社及び不動産会社に山林を引き取ってもらえる可能性があります。
山林の引き取りは有償ですが、山林を引き取ってもらうことで毎年の固定資産税の負担や管理の負担が無くなります。
山林引き取りサービスの提携先である林業関係の会社や不動産会社とは、提携の条件として「契約不適合責任を負わない契約」と「所有権移転登記完了後の後払い」にしているため、契約後に追加の費用が発生することはありませんし、後払いのため安心してご利用いただけます。
山林引き取りサービスについて詳しく知りたい方は下記の動画をご視聴ください。山林引き取りサービスについてわかりやすく説明しておりますので、ご参考にしていただきますと幸いです。動画を再生するには真ん中の三角ボタンをクリックしてください。
相続をした不要な土地を引き取る制度として、相続土地国庫帰属制度があります。こちらの制度は令和5年4月27日から開始した制度で、一定の要件を満たす場合には、審査手数料と負担金を負担することで国が不要な土地を引き取ってくれます。
ただし、引き取りできない項目が10項目あり、残念ながら利用できない相談者も少なくありません。相続土地国庫帰属制度について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
相続土地国庫帰属制度と山林引き取りサービスの違いを比較すると下記の通りとなります。
| 山林引き取りサービス | 相続土地国庫帰属制度 | |
| 利用できる人 | 個人法人問わず誰でも可能 | 相続等で取得した人のみ |
| 共有の場合 | 1だけでも可能 | 共有者全員でないと不可 |
| 審査手数料 | 無料 | 発生する |
| 負担金(引き取り費用) | 発生する | 発生する |
| 引き取りでいない土地 | 農地以外はなし※1 | 10項目ある |
| 承認の取り消し | 基本的になし※2 | ある |
| 審査期間 | 1ヵ月程度 | 半年から1年程度 |
※1.農地は農地転用(他の地目に変更)できる場合は引き取り可能です。
※2.提携先の林業関係の会社や不動産会社は、基本的には契約不適合責任を負わない形での契約となりますので、所有権移転後に追加の費用が発生する等はありません。
◇申込ができる人
山林引き取りサービスは、取得原因を問わずに申込可能です。相続又は遺贈だけでなく、原野商法で騙されてしまった方、売買、贈与などにより取得した方、個人か法人かを問わずご利用いただけます。
また、申込は基本的には不動産の所有者ですが、ご家族の方やご相談を受けている士業、不動産会社の方による代理でのお申込みも可能です。
◇申込先
山林引き取りサービスのお申込みは、まずはお問合せフォームからお問合せください。
お問合せをいただいた方にメール添付にて、申込書を送付しますので、申込書と必要資料(固定資産税の課税明細書など)をメール、郵送、FAXなどでお送りいただけましたら、引き取り費用のお見積りをします。
なお、事務負担の関係で郵送等で提出していただく場合は、資料の返却を行っておりません。
そのため、郵送等の場合はコピーでの提出をお願いします。
山林引き取りサービスのお見積りは1カ月程度で可能です。
※お急ぎの方は最短で翌日から1週間以内にお見積りを提示可能です。(お急ぎの場合は複数社での相見積りができないため、他社との比較ができない点はご了承ください。)
◇手数料について
山林引き取りサービスはお見積りまでは無料となります。
引取可能な場合には、引取費用が発生します。
※基本的には引取費用をお支払いいただくサービスですが、物件によっては無償又はプラスでの売買が可能なケースもあります。
◇引き取り可能な土地
基本的には農地を除き、すべての不動産について引き取り可能です。
農地は農地転用(他の地目に変更)可能な場合に引き取り可能です。
お見積りの結果、予算を超えてしまうなどの理由で山林引き取りサービスを利用されない方もいますが、お見積りまでは無料のため、お見積りの結果、山林引き取りサービスの利用をしない方には費用は発生しません。
山林引き取りサービスの流れは次のとおりです。
STEP①お問合せ
山林引き取りサービスに関心のある方は、まずはお問合せフォームやお電話でお問合せください。
山林引き取りサービスに関するご相談は無料です。
お問合せフォームからお問合せを頂きましたら、申込書の添付と必要書類(固定資産税の課税明細書など)のご案内をさせていただきます。
STEP②申込書及び必要書類のお預り
申込書の記入と必要書類のご用意ができましたら、メール、FAX、コピーの郵送のいずれかの方法によりお送りください。
STEP③お見積り
山林の引き取りにかかる費用をお見積します。
お申込みいただいた順にお見積りをさせていただきますので、1カ月程度お時間をいただく場合がございます。(複数社に相見積りをするため、お見積りが出た会社から順にご提示させていただきます。)
STEP④ご依頼
お見積金額でご依頼いただける場合は、引き取りをする不動産会社、林業の会社等をお繋ぎします。
その後、引き取りをする会社と契約書の作成、所有権移転登記の申請を行います。
引き取り費用のお支払いについては、引き取る会社によって異なりますが、基本的には契約(所有権移転登記の申請)のタイミングか所有権移転登記の完了時のどちらかになります。
STEP⑤所有権移転登記の完了
所有権移転登記が完了しましたら、山林引き取りサービスは完了となります。
山林引き取りサービスをご利用いただいた方のお声をご紹介します。
母がガンになってしまい医者に余命1年と告げられました。そこで、相続税対策をしようと知り合いに相談したところ佐藤先生をご紹介いただきました。相続税を試算したところ山林に1000万円もの相続税が課税されることがわかり、どうしようかと頭を悩ませていたところ山林を引き取ってくれるところがあるということで山林の引き取りをお願いしました。山林を引き取ってもらったおかげで相続税を1000万円も減らすことができて良かったです。相続税の申告手続きの対応もとても丁寧にしていただき、感謝しております。
過去に原野商法で騙されて、山林を買ってしまいました。山林を売却するために不動産会社をまわったのですがどこも積極的に販売してくれませんでした。寄付をしようにも自治体は引き受けてくれません。何とか処分したいと思い、インターネットで色々と調べていたところ佐藤先生の山林引き取りサービスのことを知りました。すぐに連絡して相談したところ引き受けてもらえるということでとても嬉しかったです。いらない山林をようやく手放すことができたのでとても助かりました。
山林引き取りサービスについてよくご質問いただく内容について説明します。
山林の引き取り主となる林業関係の会社及び不動産会社は日本人が経営する法人です。過去に不動産会社が山林の買い手をみつけ、山林を売却したことはありますが、買い主は日本人でした。引き取った山林を外国人に売却したことはありません。弊所及び提携先の林業関係の会社・不動産会社は引き取った山林を外国人に売却しない方針です。
引き取りをご依頼いただく山林は有効活用が困難なものがほとんどです。そのため、引き取り後に数年単位で活用方法を検討していく必要があります。引き取った山林から間伐材が発生する場合は間伐材を使った商品を提供している会社様と活用方法について検討します。
今までに活用できたケースですと下記のようなものがありました。
〇キャンプ場やサバゲーとして利用
〇別荘地として利用
〇キノコの栽培目的で利用
〇植木屋が植木を育てるために利用
〇林業として利用
〇猟師が狩猟目的で利用
〇自然保護活動をしている団体が自然を再生すために利用
〇太陽光発電設備の設置のために利用(農業を継続できる営農型太陽光発電など)
山林の相続税が多額で困っている方から相談を受ける機会が多く、何か力になれることはないかと思い、山林引き取りサービスを考えました。また、昔から自然や木が好きで山林に携わる仕事がしたいと思っていたことも理由の一つです。木があまりにも好きなため、木材を活用した商品を提供しているKIJINの木の雑貨(木の名刺入れ・木のバインダー)を愛用しています。また、事務所の机には間伐材を使った天板を使用しています。
山林の固定資産税の課税明細書をメールやFAXにてお送りいただければ、山林引き取りサービスのお見積りを作成することができます。山林引き取りサービスに関心がある方は下記のお問合せフォームよりご連絡ください。
山林の引き取りサービスについて関心がある方は下記のお問合せフォームに必要事項をご記入のうえ、「送信する」ボタンをクリックしてください。初回相談は無料で承っておりますのでお気軽にお問合せください。
※お問合せフォームの入力がうまくいかない場合は、メールにてご連絡ください。
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