私道に小規模宅地等の特例は適用できる?|評価方法と適用要件を解説

自宅の敷地や事業用の敷地で一定の要件を満たす場合には、小規模宅地等の特例を適用することができます。

小規模宅地等の特例は土地の評価額から80%又は50%の減額をすることができるため、相続税の負担を大きく下げることができる特例になります。

こちらのページでは私道にも小規模宅地等の特例を適用することができるのか解説します。

1.私道の相続税評価額

私道を大きく分けると以下の3種類になります。
・所有者だけが利用する専用通路
・特定の者だけが利用する行き止まりの私道
・不特定多数の者が利用する通り抜けできる私道

相続税評価額については、所有者だけが利用する専用通路の場合は、宅地と一体評価をすることになります。

特定の者だけが利用する行き止まりの私道の場合は、宅地とは分けて私道のみで評価を行います。
宅地と同様に通常の土地として評価した額の30%で評価されます。

不特定多数の者が利用する私道については、公共性が高い私道になるため、ゼロ評価となります。

各私道の評価方法をまとめると以下の通りとなります。

私道の種類 相続税評価額
所有者だけが利用する専用通路 宅地と一体評価
特定の者の通行の用に供されている私道 通常の土地の30%評価
不特定多数の者の通行の用に供されている私道 ゼロ評価

 

2.小規模宅地等の特例の対象となる私道

私道のうち、不特定多数の者の通行の用に供されている道路はゼロ評価となるため、小規模宅地等の特例の適用はありませんが、専用通路と特定の者の通行のように供されている道路は、要件を満たすことで適用することができます。

まず、専用通路の場合ですが、宅地と一体評価をするため、特定居住用宅地等などの要件を満たす場合には、私道部分も含めて限度面積まで適用可能です。

例えば、自宅の場合には、専用通路である私道部分も含めて330㎡までは適用可能です。

小規模宅地等の特例や限度面積など、詳しく知りたい方は「小規模宅地等の特例とは?適用要件・限度面積・注意点を解説」をご覧ください。

次に特定の者の通行のように供されている私道ですが、宅地が小規模宅地等の特例の適用要件を満たしており、私道がその宅地の維持・効用を果たすために必要不可欠なものであると認められる場合には、私道についても小規模宅地等の特例を適用することができます。

例えば、宅地が自宅である場合には、私道は自用地としての評価額の30%で評価を行い、80%の減額を行います。

私道の場合には、共有で所有しているケースがよくありますので、共有の場合には、持ち分相当の地積で限度面積の計算も行います。

なお、宅地が賃貸アパートなど、貸家建付地評価をしている場合には、私道の評価も貸家建付地に準じて評価することができます。

つまり、30%評価からさらに貸家建付地としての減額を行います。
小規模宅地等の特例は貸付事業用宅地等として50%の減額になります。

貸家建付地の評価方法について詳しく知りたい方は「貸家建付地の相続税評価額の計算方法|貸家が建つ土地の評価」をご覧ください。

3.小規模宅地等の特例の相談

小規模宅地等の特例は適用要件が複雑で、利用状況や取得者、申告期限までの所有の有無などもそれぞれ異なります。

こちらのページで解説をした私道については、評価額が低いケースが大半のため、相続税の負担への影響は少ないと思いますが、宅地部分の適用については、例えば、同居していない子が家を購入してしまうと小規模宅地等の特例が適用できなくなり、相続税の負担が大幅にアップしてしまうケースもあります。

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執筆者

佐藤和基税理士事務所 代表税理士 佐藤和基

相続税専門の税理士法人出身。平成26年1月に相続税専門の税理士として開業。

「不動産の知識があれば相続税は取り戻せます」(2015年12月/住宅新報社)「税理士の失敗事例から学ぶ相続土地評価のポイント」(2018年2月/同友館)の著者。

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